これから出発です。 |
今回のワークショップは、アクリルフェルトによるスポンジ作り。
フェルトワークの得意な山本愛さんが、全ての準備と事前レクチャー、当日の先生を担当してくれました。
中央の山本愛先生の話しを熱心に聞く参加者のみなさま |
お一人お一人の進行状況を見ながらお手伝いします |
時にはお話ししながら針をチクチク |
初めての内容だったので、メンバーにも少々緊張感はありましたが
参加してくれた皆さんが夢中で制作している姿に、次第に気持ちもほぐれ
雑談も交えながら、あっという間に時間が過ぎました。
見本を参考に作っていても、皆さんそれぞれ個性が出るので
バリエーション豊富なうえに、驚きのゆるキャラが完成したりして
むしろこちらが楽しませてもらったような気がします。
内容的に時間が少々タイトだったりと、今後の課題はいくつかありますが
参加者の反応も上々だったので、より工夫して
だれでも指導できる手軽なWSに進化させていければと思います。
それぞれお邪魔した仮設の集会所はとても清潔で、寄せ書きや写真なども飾ってあり
様々な交流が大切にされていることが伺えます。
参加者のおばあちゃんに「仮設に住んでいてどうですか?」と尋ねると
この仮設は、元の地域がまとまって入れているのでとても有難い事、
冬は着込めば何とかなるが、夏の暑さが耐え難い事などを話してくれました。
「エアコンはあっても水道の水がお湯になっちゃうのよ~」と。
快適だった自宅での生活を断たれ、住み慣れた土地から離れての仮設での暮らしは
2年経とうと慣れるものではないのだろうと思います。
また、大川きぼうプロジェクトの方がおっしゃっていた「2年経ってようやく皆さん悲しみが語れるようになってきた」という言葉が印象的でした。
「今年は涙がたくさん出ちゃうね」と皆さんおっしゃるんだそうです。
悲しみに向き合えるようになるのは少しずつ前に進んでいる証拠ですが、残された者にとってどれだけ長い2年だったのかと思うと思わず感情があふれそうになりました。
2日目の三反走仮設集会所の様子です |
懇切丁寧にお伝えしています |
2日目は午前中に大川小学校などの被災地に案内していただきました。
津波の凄まじい被害を物語るのは、凄惨な姿をさらしている校舎くらいで、がれきはすっかり撤去され何事もなかったように、一面にシロツメクサのゆれる空き地を眺めていると
そこに多くの住宅が並び、生活が息づいていたとはほとんど感じられないくらいでした。
案内をしていただいた大川きぼうPJの大槻さんのご実家があった集落は、もっとも被害の大きかった場所のひとつだそうです |
大川小学校での状況は言葉になりません |
地盤沈下により変わり果てた地形を見つめています |
サポサポと大川の関わりの原点である尾ノ崎地区の高台です |
私は初めて被災地を訪れましたが、寄り添うように連なる山々や北上川、かもめの飛び交う湾も田園風景も全てが美しい土地でした。
そんな豊かな土地で、元気に大きくなるはずだったたくさんのこどもたちのこと。
確かにそこにあった人々の暮らしのこと。いまもそこで頑張っている皆さんのこと。
一人でも多くの人間が、この地を訪れ、見聞きしたものを何かひとつでも持ち帰り
伝え続ける事が大切だと感じました。
ものづくりの楽しさを引っさげて、これからもイクサポは何度でも足を運んで欲しいと思います。
(イクサポスタッフ/A.S)