サポサポ project vol.19

2014/04/21

第10回 2014/3/22.23 サポサポ春合宿報告 福島県二本松市安達運動場仮設住宅

去る、2014年3月22、23日に開催された、第10回目のイクサポは、
「サポサポ春合宿@福島」と題し、2回目となる合宿を開催しました。

サポサポprojectとしての展示も9回を数え、福島関係の支援先が5箇所となりました。
それを受けて、福島の支援先巡り、また、支援先でのワークショップ開催を目的としました。

そのご報告です。

1日目、朝、都内を出発し、福島県南相馬市を目指します。


まず、南相馬市・農家民宿「いちばん星」に到着。
こちらで先ずお昼ご飯をいただきました。
南相馬の名産や、福島産の野菜をふんだんに使った
豪華なお弁当!
お店の方に詳しい説明をしていただきました。

また、こちらで南相馬市に駐在し、心のケアにまつわるお仕事をされているKさんとHさんという女性と待ち合わせをしました。これから半日、福島沿岸部をご案内いただく為です。


食事の後、Kさんから、南相馬市から市民の皆さんに配られているものと同じガイガーカウンターを、車1台につき1台お貸しいただき、お手製の丁寧な行程表を見ながら説明を受けました。


数値の目安として、東京では0.08~0.1とのこと。
(これは小高区,車内での写真)


最初に向かったのは、「南相馬ソーラー・アグリパーク」です。
津波で5世帯がながされた土地を市が買い上げ、地元の子供達にソーラー発電を実感、体感できる場所、長い時間のかかる復興を支える人材を育てる目的で作られた学習施設だそうです。


ドームの中は、サラダ菜が水耕栽培されていました。
その電力を下の写真のソーラーパネルで発電しています。
手動でソーラーパネルの向きを変えて
太陽との位置関係で発電量がどれだけ変わるか、
という実験施設もありました。
係員の方の説明を聞いています。


駆け足で施設を見学し、再び出発です。
次は、サポサポの支援先「福興浜団」と「南相馬市ボランティア活動センター」を目指します。




Kさんが、スマホ3台を駆使し
各車にガイドをしてくれました。

とは言え、この日は、両団体共に泥かきや片付けのボランティアを募集している日でもありました。しかし、スケジュール的にその活動に参加できない私達は、とくに先方にもご連絡せず、車窓から拠点となっている建物と周辺状況を見るだけに留めました。

「南相馬市ボランティア活動センター」は、原発から20kmの「避難指示解除準備区域」内にあります。


避難指示解除準備区域に入るところにはパトカーが。


そこから更に先に進みます。


避難指示解除準備区域内にある小高駅前で一度車を降りました。
運行休止中につき無人です。


地震当日のまま自転車の残された自転車置き場。



更に、6号線を原発方向に南下します。
流された車がそのまま。


警戒区域内で作業される方々を何回もお見かけしました。


原発から7km地点。
野生化した牛を集めて餌を与えている場所がありました。
出荷されない牛の世話をし続ける農家さんの思い。

原発から7km地点まで行き、車をUターンさせ戻りました。
そして、南相馬市内で、お世話になった、KさんとHさんにお礼をしてお別れしました。
Kさんのガイドが、あまりにお上手だったので伺ったら、前職がバスガイドさんだったとのこと。
どうりで!


記念に集合写真。
ありがとうございました。

そして、この日のスケジュールは終了、一路、中通りの宿へ向かいました。



2日目。

朝ごはんを頂いて、宿をチェックアウト後、サポサポ9で支援させていただいた、「かーちゃんの力プロジェクト」のアンテナショップ「かーちゃん ふるさと農園 わいわい」へ向かいました。




福島駅の直ぐ近くの賑やかな場所に。
あぶくまのかーちゃん達の作ったお菓子やお漬け物、ジャムなどの加工品を
沢山お土産に買いました。
帰宅後、皆から「美味しかった!」との声が集まりました。
併設のカフェで、「いいたて雪っ娘」という飯舘ブランドのカボチャの入った
カレーを頂きました。とっても美味しかったです!

カレーを食べた後、私達の為に休日を返上して駆けつけてくださった、「かーちゃんのちからプロジェクト」代表の渡邊さんから、とても丁寧で詳しい活動報告を聞かせていただきました。


日本の基準より厳しい基準を独自で設け、風評の中あえて「飯舘」という名前を出してゆく決心。


避難しているかーちゃん達の自立を目指して継続している活動、またその困難。


様々な理不尽と戦いながらも「進む方を選んだ」というお話に、ただただ頭の下がる思いでしたが、最後に渡邊さんが力強くおっしゃった


「しかし、私は飯舘を諦めない」


という言葉に深く胸を打たれました。



人数分ご用意くださった11ページにも及ぶ資料に見入りながら説明を聞きました。
途中涙するメンバーも。


そして、次は、二本松市 安達運動場仮設に移動。

金属の「すず」を溶かしてキーホルダーを作るワークショップを開催します。

講師の塚田さん。
イクサポメンバーでもありながら、
個人的にも福島でワークショップを続けています。


まず、「すず」をお鍋で溶かします。
事前に紙で作ったレリーフの上に
流し落とします。
固まる前に、キーホルダーの紐を通す穴の為に
棒を突き刺して待ちます。
固まったら、イニシャルなどを刻印して…
金具を付けて出来上がり!上手に出来ました!

参加者は少なかったものの、家族全員分に作る!という女の子など、一人一人にじっくり寄り添える、丁寧な時間になったと思います。

こちらのワークショップは、サポサポ9で支援させていただいた、「うつくしまふくしま子ども未来応援プロジェクト」さんのご協力で実現しました。原発避難をしている子供達に、学習支援、コミュニティ支援を継続している皆さんです。

日時、会場のセッティングから、チラシ配り、現地での事前説明と、全てお世話になりました。
お陰で貴重な機会を与えていただき、心から感謝いたします。


以上で、福島での全行程を終えて、帰路につきました。






サポサポ、イクサポとしては始めての福島での合宿を終えて、参加メンバーから、表現こそ少しずつ違えど共通してよく聞かれたのが
「今回の福島でのことを、どう表現してよいかわからない。」
という反応でした。



原発事故の影響のある福島は、やはり他県とは違いました。

その現実をただ必死にそのまま受けとめようとする、しかし、それが同時に自分の立ち位置や無力さも浮き彫りにする、といった経験だったのかもしれません。





「沢山の人が、復興に向けて作業されていました。尊敬すべきは、その方々だと思いました。」

「関東に住む自分たちは自分の中の風化との戦いだなって思う、ほんと。」

メンバーからそんな言葉も出ていました。




また、合宿終了後、


1日目に南相馬を案内くださった現地で支援活動を続けるKさんからは


継続的に関心をもって下さる方々が、身近にいるというそれだけで我々も『あー、一人じゃないんだな。』と燃え尽きずにいることができます。」



2日目のワークショップをお世話いただいた、学習支援を続けるTさんからは


これからもご機会がありましたら来訪されることをお待ちしておりますので,継続して子どもたちを見守っていただけたらと願っています。」



とのメッセージもいただきました。


次回、「サポサポproject vol.10」の展示の準備も始まっています。
日時は、2014年6月
27(金)〜29(日)   場所は南青山「ギャラリー5610」の予定です。

作家、クリエイターの作品を展示・販売し、収益を東日本大震災の復興支援活動に寄付します。
そしてイクサポの現地活動は、現在も月一回のペースで行われています。



今回の合宿全てで受け取った事を、今後の活動にどう反映していくのか、時間をかけて考えて行きたいと思います。



(サポサポスタッフ sa)



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